インタビューその2:震災発生直後のWebサイトからの情報発信
まず最優先は安否確認情報
植木:Web サイトから情報を発信するにあたって、まず最初にしたことは何ですか?
市川氏:まず、全庁に適切かつタイムリーな情報発信を依頼しました。そして、私はPC版の地震関連情報ポータルサイトを立ち上げる準備に取り掛かり、最初はどういう情報が求められているかを整理しながら、ページレイアウトを紙に書きながら考えていました。
植木:どのような点に注意されましたか?
市川氏:IAA Allianceの安否登録確認システムの利用について調整がついて、10月27日からリンクを設定したのですが、安否確認は何より重要ですのでこれを最優先としてページの上部に置くようにしました。10月27日というのは本震に関する安否確認は実際にはかなりとれているのでこの点は反省すべき点です。あと、災害発生後しばらくは全ての情報が新着情報であり、かつ注目情報でもあるので、混乱を生じさせないように全ての情報には公開あるいは更新日時を表示するようにしました。
植木:なるほど。やはり新潟県内に家族や知人がいる人にとっては、何よりその安否が心配ですものね。それに情報の新しい、旧いが分かるようにするというのも大事なポイントですね。
ユーザーのタスクを想定したコンテンツの優先順位付け
市川氏:それから、どういうユーザーが県の Web サイトにやってくるか。そして、どんな情報を求めてくるのか。そういったことを想定しながら、情報の優先順位をつけていって、優先順位が高いと判断した順にページの上のほうから並べていきました。また、とにかく皆さん急いでいるだろうというのは想像できましたので、あえてスクロールさせてもいいから1ページに全ての情報を掲載するようにもしたんです。
植木:たしかに、県のサイトにやってくるユーザーの心理を考えると、あちこちクリックするよりはスクロールして全体を一気に確認できるほうがいいですね。
市川氏:あとは、できるだけそのページが災害に関する全ての情報のワンストップとなるようにして、このページから全ての情報へ辿りつけるようにというのを意識しました。
携帯コンテンツはPC版を簡潔に要約
植木:携帯のコンテンツも同じように対処されたのですか?
市川氏:携帯コンテンツに関しては、PC版と同じ内容では駄目だと考えました。画面サイズもパソコンと比べたら全然小さいですし、ユーザーの立場で考えると、必然的にPC版のコンテンツを簡潔に要約したものになりましたね。そして、携帯各社にモバイルインターネットサービスの上位階層に、その災害情報ポータルへのリンクを設定していただけるよう依頼もしました。
植木:携帯コンテンツは携帯コンテンツの特性をふまえて工夫をされたのですね。
市川氏:工夫はしましたが、携帯サイトの作り方みたいなノウハウ本を持っていませんでしたし、正しかったのかどうか。それから携帯コンテンツの場合は、情報の中に電話番号がある際には、そのまま電話がかけられるようにいわゆる "TELリンク" を設定するようにもしました。
植木:そうすれば、かけたいと思ったらすぐに電話かけられますよね。
ポイント2:震災発生時
- 全庁にタイムリーな情報提供を依頼
- まずは安否確認情報を最優先
- 情報の優先順位付けをして、それに応じた順序でページに掲載
- ユーザー心理を考慮して、あえてスクロールの長い1ページにした
- 目指したのは全ての情報へのワンストップ
- 携帯コンテンツはPC版の情報を簡潔に要約

