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W3C user Agent Accessibility Guidelines Test Suite Version 2.0 And Implementation Report

アクセシビリティ・ガイドラインというと、Web コンテンツに関するガイドラインを思い浮かべる人が多いと思うが、W3C では "UAAG(User Agent Accessibility Guidelines の略)" というユーザーエージェントのためのガイドラインも策定している。もう一つ、"ATAG(User Agent Accessibility Guidelines の略)" というオーサリングツールのガイドラインもあり、アクセシビリティを実現するには " Web コンテンツ"、"ユーザーエージェント"、"オーサリングツール" のそれぞれが役割を果たさなくてはならないという考え方に基づいている。もちろん、これ以外にもユーザーのスキルなど他にも要素はあるのだが、ガイドラインとしてはこの3つについて策定しているのだ。

ユーザーエージェントのアクセシビリティ・ガイドライン "UAAG 1.0"

写真:講演するW3C/WAIのマット・メイ氏

「W3C の WAI が策定しているアクセシビリティ・ガイドラインは3つあります。まず、Web コンテンツの WCAG 。現在、バージョン2.0を策定作業中です。そして、オーサリングツールの ATAG。ここでいう "オーサリングツール" は例えばマクロメディアの Dreamweaver のようなソフトウェアや CMS などのように、Web コンテンツを生成するツールのことをいいます。そして、これから説明するのが、ユーザーエージェントの UAAG です。UAAG 1.0 は、2002年12月に勧告となり、いわゆる Web ブラウザやメディアプレーヤーのアクセシビリティ機能に関する基準をガイドラインとして定めたものです。

この UAAG 1.0 は、12のガイドラインと83のチェックポイントから構成されており、その準拠レベルとしては3段階に区分されています。適用範囲となるのは、Internet Explorer や Firefox などの Web ブラウザ、JAWS や Window Eyes などのスクリーンリーダー、Windows Media Player、QuickTime や RealPlayer のようなメディアプレーヤーです。

UAAG には Test Suites といって、それらのユーザーエージェントの機能を客観的に把握するためのテストファイルがあります。これは全部で400種類あるHTMLファイルです。現在、さらに SMIL や SVG のテストファイルも制作中です。詳細は、Web サイトでも公開しています。」(W3C / WAI マット・メイ氏)

"ユーザーエージェント" というと、いわゆる Web ブラウザを思い浮かべるかもしれないが、スクリーンリーダーやメディアプレーヤー、それから IBM のホームページリーダーに代表される音声ブラウザなども、UAAG 1.0 の適用範囲となっており、テストファイルでの検証結果が Web サイトでも公開されている。

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全てのチェックポイントを満たしたユーザーエージェントはまだ存在しない

「現時点で、テストファイルによる検証結果が得られているのは、Internet Explorer 6.0、Firefox 1.0、Mozilla 1.7、Opera 7.5、ホームページリーダー 3.04、Safari 1.2、といったブラウザと Window Eyes と IE 6.0 の組合せ、JAWS と IE 6.0 の組合せ、によるスクリーンリーダーです。近日中に、Mac OS X の VoiceOver、Firefox 1.0 の Linux 版についても検証を行う予定です。

全体的には、UAAG 1.0 のチェックポイントを広範囲にわたってサポートされているという印象を受けています。ほとんどのチェックポイントにおいて、完全にサポートしている、あるいは、ほぼサポートできている、という結果が出ていますが、残念ながら全てのチェックポイントを満たしたものはまだ一つもありませんでした。しかし、多くのユーザーエージェントは、もう一息というところまできています。2002年に UAAG 1.0 が制定されてから、ブラウザやスクリーンリーダーはかなり改善されてきています。メディアプレーヤーはやや遅れ気味といった感もありますが、全体的には良い方向に向かっていると言えるでしょう。」(マット・メイ氏)

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この UAAG 1.0 のテストファイルによるユーザーエージェントの検証は、現時点では全て英語版の製品で行われている。今後は、英語以外の言語版(例えば、日本語版)での検証も必要だし、日本には PC-Talker や 95 Reader といった日本にしかないスクリーンリーダーもあるので、それらの検証も必要になってくるだろう。また、特に音声ブラウザやスクリーンリーダーの場合は、同じ製品の同じバージョンでも英語版と日本語版で多少機能面に違いがあったりもするので、既に英語版では検証済みであっても、日本語版は日本語版で改めて検証を行わなくてはならない。

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