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Overview Of The General Techniques For Web Content Accessibility Guidelines 2.0

W3C / WAI で策定作業が進められている WCAG 2.0。このセッションでは、今年3月にそのワーキンググループの副主査となったジョン・スレイトン氏(写真)が、WCAG 2.0 の附属文書である『General Techniques』の概要を紹介した。

『WCAG 2.0』を構成する各種ドキュメント

「WCAG 1.0 は1999年5月に勧告となり、WCAG 2.0 の策定作業は翌2000年から開始されました。2005年中に勧告となる予定で、これは 1.0 が既にタイムリーではなくなっていること、要件に主観的な要素が強くて検証しづらいこと、そして "ユーザーエージェントが・・・・・・できるまで" という一節を何とかしなくてはならない、といったニーズから作業を急いでいます。

写真:講演する WCAG ワーキンググループの副主査ジョン・スレイトン氏

WCAG 2.0 のポイントとしては、まず広範囲の技術に適用可能であること、検証ができること、将来を見据えたものであること、そして、多用な利用者に配慮すること、などが挙げられます。そして、ガイドライン文書は明解ではっきりとしたものしなければなりませんし、オーサリングツールやユーザーエージェントのガイドライン、チェックツールやチェック方法といった、アクセシビリティを実現する全ての要素の一部を成さなければなりません。

WCAGのドキュメントは、まずそのガイドライン本文、そして、ジェネラル・テクニック文書、特定技術ごとのテクニック文書(例:HTML、CSS、スクリプティング、など)やチェックリスト、事例のサンプルとなるテストファイルなどによる一式となる予定です。」(WCAG ワーキンググループ副主査 ジョン・スレイトン氏)

WCAG 2.0 に関連するドキュメントは、ガイドライン本文を頂点とした階層構造になっている。ガイドライン本文の下には、ジェネラル・テクニック文書があり、その下に HTML や CSS などの技術ごとに具体的なテクニック例を紹介するテクニック文書が幾つか提供される、といった構造だ。

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『WCAG 2.0』におけるテクニック文書の役割

「ガイドライン本文は、4つの原則、13のガイドライン、77の達成基準、3つのレベル、事例などで構成されています。そして、ジェネラル・テクニック文書、各種技術ごとのテクニック文書、およびチェックリストへのリンクを提供しようと考えています。77ある達成基準は、WCAG 1.0 のチェックポイントとよく似ていますが、その大きな違いとして、より厳密な検証が可能であること、より抽象的であること、などが挙げられます。
テクニック文書は、あくまで参考文書という扱いであり、ガイドライン本文ではありません。HTML や CSS といった技術ごとのテクニック文書はかなり詳細で具体的な内容です。上位にあるガイドライン本文および達成基準に関する記述がどうしても抽象的にならざるをえないので、それを具体的で細かいテクニックまで落とし込んだ内容になります。

ただし、ジェネラル・テクニック文書の全体の構造や個々のテクニックに関する内容には、まだまだ検討の余地があります。HTML、CSS、JavaScript以外の技術に関する事例、英語以外の言語に関する事例が必要であり、ユーザーからのフィードバックも吸収していかなくてはならないと考えています。」(ジョン・スレイトン氏)

繰り返しになるが、ガイドライン本文はこの先何年も変えずにすむように原則的なことがやや抽象的に書かれていて、それを実践するためのテクニックは常にアップデートされる各種のテクニック文書で補足するという考え方だ。

スレイトン氏も述べているように、英語以外の言語に関する事例というのが日本を含めた他の言語圏にはとても重要だ。WCAG 2.0 のワーキンググループには、日本から日本規格協会のウェブアクセシビリティ国際規格調査研究部会で主査をつとめる渡辺隆行氏(ITRC)が参加しており、日本語特有の問題点などをパブリックコメントでも提出するなどしてきた。これにより WCAG ワーキンググループ内でも英語以外の言語における問題への理解が高まっており、今後の策定作業においてもガイドラインの国際化(英語圏以外でも通用するガイドラインにすること)は重要なテーマの一つとして認識されている。ちょうどこの CSUN 開催中に新たに WCAG ワーキンググループのメンバーとなった私にも、スレイトン氏から引き続きこの部分での協力を依頼され、早速メールなどで意見交換を開始している。

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