見やすく読みやすい文章レイアウトと校正のコツ
-益子 貴寛の『Webライティングの理論と実践』 第3回
Web上で魅力的な文章やキャッチコピーを書くためのライティングメソッド「Webライティング」。今回は、文章の見やすさ、読みやすさを向上させるためのレイアウトや編集のポイントと、校正テクニックについて見ていこう。
長い文章は段落分けし、行間を広めにとる
Webページでは長い文章は読みやすさを考えて適度に段落分けし、行間を広めにとる必要がある。次の2つの例を比較してみよう。
以下にある、"[調整前]"の文章は段落分けが明確でなく、行間が狭いため、全体が雑然とした雰囲気になっている。このようなレイアウトでは、文章の内容に関わらずユーザーに一瞥されてしまい、読んでもらえない可能性が高い。
一方、"[調整後]"の文章は適度に段落分けされ、行間もやや広めにとってあるので、読みやすく理解しやすい。上の文章との違いは、話の区切りに合わせて段落分けした点と、行高についてはCSSのline-heightプロパティで1.5倍に設定した点である。これだけでも文章は格段に見やすくなる。
[調整前]
リライティング(校正・赤入れ)とは、文章の赤入れや手直しなど、校正を行なうことです。すでにひととおり書き上がった文章があり、そのテイストを崩さないように手直ししたり、前後文脈に齟齬がないか確認すること、規定文字数に合わせるといった作業が求められます。特定の専門分野に関する文章をリライトする場合は、本人が下調べしたり、別途専門家に確認を依頼するといった追加的な作業が発生することもあるでしょう。また、企業内のWeb担当者(Webマスター)であれば、制作会社から上がってきたコンテンツのリライティングなどもあります。
[調整後]
リライティング(校正・赤入れ)とは、文章の赤入れや手直しなど、校正を行なうことです。すでにひととおり書き上がった文章があり、そのテイストを崩さないように手直ししたり、前後文脈に齟齬がないか確認すること、規定文字数に合わせるといった作業が求められます。
特定の専門分野に関する文章をリライトする場合は、本人が下調べしたり、別途専門家に確認を依頼するといった追加的な作業が発生することもあるでしょう。また、企業内のWeb担当者(Webマスター)であれば、制作会社から上がってきたコンテンツのリライティングなどもあります。
文章をリスト化・図表化してコンパクトにする
文章をコンパクトにするのに最も効率的かつ効果的な方法は「リスト化」することである。リスト化とは「・」(黒丸)や「1.」(番号)などを使って(あるいは使わずに、単に改行したかたちで)、内容を箇条書きにすることである。文章によっては思いきってリスト化したほうがユーザーにとってわかりやすくなる。例を見てみよう。
[リスト化前]
○○製品について、価格は12,500円(税込)、カラーはワインレッド、ディープブルー、モスグリーンの3色、ご注文は下記のフォームより承っております。発送はご入金確認後、5日以内となっております。送料は別途お申し受けいたしますので、あらかじめご了承ください。
[リスト化後]
○○製品について
- 価格: 12,500円(税込)
- カラー: ワインレッド、ディープブルー、モスグリーン
- ご注文: 下記のフォームより
- 発送: ご入金確認後、5日以内
- 送料: 別途お申し受け
リスト化の別のメリットとして書き間違いが少ないということがある。なぜなら、読み手にとってわかりやすいということは、書き手が読み直す(つまり一時的に読み手になる)ときもわかりやすく、ミスを発見しやすいからである。
文章を図表化するのも、ユーザーにとって見やすいページにするのに効果的だ。単に文章だけで説明するよりも、図表化したほうがユーザーが直感的に理解しやすいだけでなく、ページが単調になるのを防ぐことができる。図表化には大きく分けて画像処理する方法と(X)HTMLの表(table要素)を使う方法の2つがある。
画像処理のメリットは、どのようなユーザー環境でも同一に表示される点である。ただしデメリットとして、テキストブラウザや音声ブラウザなどは画像が表示・表現できない、修正する際は画像ファイル自体を編集し直さなければならならないので作業が煩雑、画像ファイルは概して容量が大きいのでページの表示速度が遅くなる、といった点があげられる。
一方、(X)HTMLの表を使うメリットは、音声ブラウザや一部のテキストブラウザでは表示・表現できること、修正する際はファイル上のデータを変更すればよいので作業負担が比較的軽いことである。
したがって、画像処理するか表を使うかは、内容面からその文章を図にすべきか表にすべきかに加えて、上記のメリットとデメリットを踏まえて判断しよう。
Webライティングの校正ポイント
本や雑誌では通常、印刷の前に一校(初校)、二校(再校)、三校(念校)というかたちで何度か原稿をチェックする。同様にWebサイトも、文章の精緻化・正確化のために何度か校正作業を行ったほうがよい。
Webサイトの校正ポイントは、文章の形式、文章の内容、ページの表示や操作性の3つに分けることができる。以下、これらのポイントについて詳しく説明しよう。
文章の形式
- 1. 人名、社名、地名、商品名など固有名詞にミスはないか
- 固有名詞にミスがあると、文章の信頼性が大きく損なわれるので、入念にチェックする必要がある。人名については、「斉藤」か「齋藤」か、「広井」か「廣井」かなど、どの漢字を使うかにも注意しよう。また、社名については「キャノン」ではなく「キヤノン」、「富士フィルム」ではなく「富士フイルム」、「キューピー」ではなく「キユーピー」が正しく、駅名は「青山1丁目」ではなく「青山一丁目」、「虎の門」ではなく「虎ノ門」が正しい。このように社名や駅名は発音や地名と一致しない場合があるので、確信がもてない名称を検索エンジンで検索し、正式名称を調べる癖をつけておくとよい。
- 2. 住所、郵便番号、電話番号、FAX番号、URL、メールアドレス、日付にミスはないか
- 住所と郵便番号については、郵政省の「7桁郵便番号検索」(http://search.post.yusei.go.jp/7zip/)でクロスリファー(住所名での検索結果と郵便番号での検索結果が一致しているかどうかを検証)するとよい。URLとメールアドレスについては、事前にブラウザで確認したり、テストメールを送信しておこう。また、これらが他社のデータである場合は、その会社の担当者に確認してもらおう。
文章の内容
- 1. 文章に誤字・脱字や表記揺れ、不適切な表現はないか
- いくらよい文章であっても、誤字・脱字や表記揺れ、不適切な表現が含まれているとその価値を大きく減じてしまうので注意が必要だ。
- 2. 文章にわかりにくい部分はないか
- 段落分けは適切か、リスト化や図表化すべき部分はないか、データや具体的事実を追加する部分はないかなど、文章をわかりやすくするためにもう一歩工夫しよう。
- 3. 目次と見出しは一致しているか
- トップページや各カテゴリーのインデックスページの「目次」と、各コンテンツの「見出し」が一致しているかどうかをチェックする。特に見出しに番号を振っている場合は、飛ばしてしまっている番号がないか注意しよう。
ページの表示・操作性
- 1. リンクがきちんと機能するか
- リンクをクリックしたときに、所定のページにジャンプするかなどをチェックする。リンクがきちんと機能しない場合は、URLの記述ミスをチェックする。
- 2. 画像がきちんと表示されるか
- 画像が表示されるかどうかチェックする。あわせて、代替テキストの指定は適切かどうかチェックしよう。
Webライティングの校正テクニック
文章校正は、ただ単に「ひとりで文章を読み直す」ことではない。さまざまな工夫を凝らして、質の高い文章になるよう心がけよう。以下、効果的な方法を説明するので、実際の校正作業に取り入れて欲しい。
複数の人間でチェックする
複数の人間でチェックするのは文章校正の基本である。ひとりの視点だけでは自ずと限界があり、複数の人間でチェックしてはじめて、多くの人が読むに耐えうる文章となる。たとえばひとりで3回チェックするよりも、3人で1回ずつチェックしたほうが適切に校正できるということである。専門的な内容や技術的な内容については、経験者やその分野に造詣の深い人に確認を依頼したほうがよいだろう。
校正ポイントごとに分けてチェックする
文章校正のポイントは多岐にわたるので、一度にすべてのポイントをチェックするのは難しい。まずページの表示・操作性、次に文章の形式、最後に文章の内容というように、校正ポイントごとに分けてチェックしたほうがよい。
複数の人間でチェックする場合も、ある人は全体的なチェック、ある人はページの表示・操作性のチェック、ある人は文章面のチェックというように、役割分担するのもよい方法である。
プリントアウトしてチェックする
PCで入力した文章をそのままディスプレイで読んでも、間違いに気づかないことが多い。紙にプリントアウト(印刷)することで目が新しくなり、間違いに気づきやすくなる。
文章をメールに貼りつけて、自分宛てに送ってチェックする
紙にプリントアウトするのと同様、文章をメールに貼りつけて、自分宛てに送ってチェックするのもよい方法である。もしテキストエディターで文章を入力しているのであれば、ワープロソフト(Microsoft Wordなど)に貼りつけてチェックしてもよい。とにかく通常の入力画面と異なる見え方にすることが重要である。
読み合わせをする
ひとりが文章を読み上げ、もうひとりがその文章を目で追ってチェックすることを「読み合わせ」という。読み合わせには誤字・脱字、行抜けや行飛ばしのチェックとあわせて、文章のわかりやすさがチェックできるというメリットがある。耳で聞いて理解しやすい文章は、目で読んでも理解しやすいからである。
なお、どうしてもひとりでチェックしなければならない場合は、まず文章を読み上げたものを録音し、それを聞きながら目で文章を追ってチェックするかたちで読み合わせできる。
1~2日置いてからチェックする
文章を書いた直後にチェックせず、1~2日置いてからチェックすると、書いたときには気づかなかったミスが発見できることが多い。時間を置くことで、意識がいったん文章から離れ、目が新しくなるからである。
[次回へ続く]
プロフィール

益子貴寛(ましこ たかひろ)
サイバーガーデン代表。1999年5月にWebリファレンス&リソース提供サイト「CYBER@GARDEN」を立ち上げる。一般企業に勤務しながらもWebデザイン誌での執筆やW3C仕様書の翻訳活動を続け、2003年5月に独立。Webサイトのプロデュース、Web制作会社のコンサルティングに従事するほか、講義・講演や執筆活動も活発に行っている。著書に『Web標準の教科書 ─ XHTMLとCSSで作る“正しい”Webサイト』、『伝わるWeb文章デザイン100の鉄則』 (ともに秀和システム)など。雑誌でも『月刊web creators』『WEB STRATEGY』(ともにMdN)でも好評連載中。


